平均賃金って何?
労基法上のいろいろな金額計算(解雇予告手当、休業手当、年次有給休暇の賃金、災害補償など)のベースになる金額が「平均賃金」です。労基法第12条で計算方法が定められています。
平均賃金 = 算定事由発生日以前3か月間に支払われた賃金の総額 ÷ その期間の総日数(暦日数)
ポイントは「暦日数で割る」こと。月給制の場合、働いた日数ではなく、その3か月間のカレンダー上の日数(例:4〜6月なら91日)で割ります。したがって、時給・日給の人と比べて月給者の平均賃金はやや低く出る傾向にあります。
最低保障額(時給・日給の人向け)
時給・日給・出来高払等の場合、暦日数で割ると休日が多いほど平均賃金が低く出てしまうため、最低保障額が設けられています。
賃金総額 ÷ 実労働日数 × 60% (100分の60) → 原則計算額と比較して高い方が平均賃金になる
算定の基礎から除外されるもの
次の期間とその賃金は、算定期間・賃金総額の両方から除外します(第12条第3項):
- 業務上の傷病による療養のための休業期間
- 産前産後の女性の休業期間(第65条)
- 使用者の責に帰すべき事由による休業期間
- 育児休業・介護休業の期間
- 試用期間
①臨時に支払われた賃金(結婚祝い金等)②3か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)③通貨以外で支払われた賃金で一定のもの――これらは賃金総額にも入れない。
休業手当(第26条)
使用者の責めに帰すべき事由により労働者を休業させた場合、使用者は休業期間中の労働者に対して、平均賃金の60%以上の手当(休業手当)を支払わなければなりません。
経営難による操業短縮、資材不足、監督官庁の勧告による操業停止など、使用者側の事情で労働者が働けなかった場合。天災事変(地震・台風など)は使用者の責めに帰すべき事由にあたらないので休業手当の支払義務はない。
「民法の賃金全額請求権」との関係
民法第536条第2項では、使用者の責めに帰すべき事由で労務を提供できなかった場合、労働者は賃金「全額」を請求できます。では労基法の「60%」との関係は?
答え:労基法の休業手当は「最低保障」です。民法で賃金全額を請求できる場合はそちらが優先されます。労基法の60%は、民法の「帰責事由」にまで至らないが使用者側の原因である場合に、少なくともこれだけは払いなさいという規定です。