労働基準法・労働安全衛生法 / 総則・労働契約

労基法ってそもそも何のための法律?

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解説テキスト

労働基準法は「最低ライン」を決める法律

労働基準法(以下「労基法」)は、使用者(会社)が守らなければならない労働条件の最低基準を定めた法律です。1947年(昭和22年)に制定されました。

キーワードは「最低基準」。労基法より労働者に不利な条件を契約で決めても、その部分は無効になります。たとえば「残業代は払いません」と契約書に書いても、法律が優先されて無効です。

労基法第1条の目的

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。この法律で定める労働条件の基準は最低のものである。

「労働者」と「使用者」の定義

労基法が守る対象は「労働者」です。労働者とは、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者をいいます(第9条)。正社員もアルバイトもパートも全員が「労働者」です。

一方、「使用者」とは、事業主または事業の経営担当者、その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいいます(第10条)。社長だけでなく、部長や課長といった管理職も「使用者」に含まれます。

ここがよく出る

「使用者=社長」と勘違いしがち。管理職や人事担当者も「使用者」に含まれるのがポイント。試験では『工場長は使用者か』のような形で問われます。

適用範囲(どんな事業に労基法が適用されるか)

労基法は原則としてすべての事業に適用されます。ただし、次のものは適用除外です:

  • 同居の親族のみを使用する事業(家族だけでやっている商店など)
  • 家事使用人(住み込みのお手伝いさんなど)
  • 一般職の国家公務員(国家公務員法が優先)
注意

同居の親族に加えて「他人」を1人でも雇っていれば、その事業所は労基法の適用対象になります。

労基法違反の契約はどうなる?

労基法第13条により、労基法の基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分だけが無効となり、無効となった部分は労基法の基準が適用されます。契約全体が無効になるわけではない点に注意してください。

例:残業代ゼロ契約

「月給20万円、残業代なし」という契約 → 月給20万円は有効、残業代なしの部分だけ無効 → 残業代は労基法どおり支払わなければならない

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