労働基準法・労働安全衛生法 / 年少者・女性

若い人を雇うときは特別ルールがある

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解説テキスト

まずは「児童」と「年少者」を区別する

この分野では似た言葉が多く出てきます。労基法第56条では「児童」、第57条から第64条では「年少者」という言葉が中心です。試験では『15歳未満だから児童』『18歳未満だから年少者』と機械的に考えるとずれることがあるため、条文上の線引きを押さえることが大切です。

区分意味主な条文
児童満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者第56条
年少者満18歳未満の者第57条〜第64条
未成年者労働契約の締結や賃金受領の場面で本人保護の対象となる者第58条・第59条

最低年齢の原則は「最初の3月31日」まで

使用者は、満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの児童を、原則として労働者として使用してはいけません(第56条第1項)。誕生日だけで判断するのではなく、中学校を卒業する時期まで保護するイメージで押さえると理解しやすいです。たとえば、4月生まれの人でも、その後に来る最初の3月31日が終わるまでは原則として使用できません。

数字で覚えるポイント

第56条は『15歳になった日』ではなく、『15歳到達後の最初の3月31日終了まで』が基準。試験ではこの日付の切り方が頻出です。

例外的に児童を働かせられる場面

第56条ただし書により、例外的に児童を使用できる場合があります。非工業的事業では満13歳以上の児童を、映画の製作または演劇の事業では満13歳未満の児童を使用できることがあります。ただし、どちらも『健康・福祉に有害でない軽易な業務』であり、かつ『所轄労働基準監督署長の許可』を受け、さらに『修学時間外』に働かせることが条件です。

  • 非工業的事業では満13歳以上の児童に限る
  • 映画製作・演劇では満13歳未満でも例外があり得る
  • 軽易な業務であること
  • 労働基準監督署長の許可が必要
  • 修学時間外でなければならない
「13歳以上なら自由に働ける」ではない

年齢要件だけでなく、事業の種類、業務の軽さ、監督署長の許可、修学時間外という条件をすべて満たす必要があります。条件の落とし穴が試験のひっかけになります。

契約と賃金は本人を守る仕組みになっている

第57条から第59条は、若年者を保護するための実務ルールです。使用者は、年少者を使用する場合に年齢証明書を備え付けなければならず、児童を使用する場合にはこれに加えて学校長の証明書と親権者または後見人の同意書も必要です(第57条)。また、親権者や後見人が未成年者に代わって労働契約を締結することは禁止され(第58条第1項)、不利な契約は親権者・後見人・所轄労働基準監督署長が将来に向かって解除できます(第58条第2項)。さらに、未成年者は自分で賃金を請求でき、親権者や後見人が代わって受け取ることはできません(第59条)。

条文の役割をまとめる

第57条は証明書の備え付け、第58条は契約締結の保護、第59条は賃金受領の保護です。『証明書→契約→賃金』の順に並べて覚えると整理しやすくなります。

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