解説テキスト
遺族補償年金は『誰でも遺族ならOK』ではない
労働者が業務上または通勤により死亡した場合、遺族(補償)等給付が問題になります。中心となる遺族(補償)年金は、死亡当時その収入によって生計を維持されていた遺族のうち、法定の受給資格者に支給されます(第16条、第16条の2、厚生労働省Q&A「6-1」)。ただ親族であるだけでは足りず、生計維持関係が重要です。
『相続人』とは別の制度
遺族補償年金は民法上の相続順位で決まるわけではありません。労災法独自の受給資格者と順位で判断します。
受給資格者の範囲
受給資格者は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹です(第16条の2)。ただし年齢や障害の要件があり、全員が無条件に受けられるわけではありません。試験では『妻は年齢要件なし』『夫や父母等は55歳以上が入口、支給開始は60歳が基本』という差が頻出です。
| 遺族 | 主なポイント |
|---|---|
| 妻 | 原則として年齢要件なし |
| 夫・父母・祖父母・兄弟姉妹 | 55歳以上で受給資格者になり得るが、障害がない場合の支給開始は60歳が基本 |
| 子・孫 | 18歳到達年度末まで、または一定の障害状態 |
先順位の者が優先される
受給資格者が複数いる場合でも、全員が同時に別々の年金をもらうわけではありません。法定順位の先順位者が受給権者になります。一般に、配偶者が最優先で、その後に子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹と続きます。先順位者がいるなら、後順位者には原則として権利が移りません。
妻と夫の違い
妻は年齢要件なし。一方で夫は条件付きです。択一では『夫も妻と同じく年齢要件なし』とする誤りがとても多いです。