労災保険法 / 療養補償給付

まずは治療費の出し方を押さえる

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解説テキスト

療養補償給付とは

療養補償給付は、労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養を必要とするときに行われる給付です(第13条、第12条の8第1項第1号)。ポイントは、治療費を後でお金で払うだけではなく、指定医療機関であれば原則自己負担なく治療を受けられることです。

名称の違い

業務災害では『療養補償給付』、通勤災害では『療養給付』です。中身は近くても、名称差は必ず押さえましょう。

2つの形: 療養の給付と療養の費用の支給

療養補償給付には、現物給付としての『療養の給付』と、現金給付としての『療養の費用の支給』があります。労災病院や労災指定医療機関等で受診する場合は、原則として『療養の給付』が使われ、窓口で通常の医療費を払わずに治療を受けます。指定外の医療機関なら、いったん立替えたうえで『療養の費用の支給』を請求します。

種類イメージよくある場面
療養の給付現物給付指定医療機関で受診する
療養の費用の支給立替後に精算緊急で近くの指定外病院にかかった

指定医療機関を使うと実務が楽

例えば、工場で手を切って近くの労災指定病院へ行けば、療養の給付請求書を病院経由で出して、そのまま治療を受ける流れになります。これに対し、指定外病院に行った場合は、被災労働者が費用を支払ってから請求し直すため、領収書管理などの手間が増えます。

健康保険と混同しない

仕事や通勤が原因のけが・病気なら、本来は健康保険ではなく労災保険で処理するのが原則です。健康保険証を使ってしまった場合は、後から切り替え手続が必要になることがあります。

支給範囲は必要な療養

支給されるのは、診察、薬剤や治療材料、処置・手術、入院、訪問看護、移送など、政府が必要と認める療養の範囲です。何でも自由に請求できるわけではなく、一般に医療上相当と認められる範囲であることが必要です。

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