労災保険法 / 休業補償給付

傷病年金とのつながり

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解説テキスト

長期化すると傷病(補償)等年金が問題になる

休業補償給付は、要件を満たす限り続きますが、療養が長期化すると傷病(補償)等年金との関係が出てきます。労働者の傷病が療養開始後1年6か月を経過しても治らず、かつ傷病等級に該当するときは、休業補償給付から傷病補償年金へ移行します(第12条の8第3項、厚生労働省FAQ『3-1』)。

移行の3要素

1年6か月経過、治っていない、傷病等級に該当。この3つがそろうかで考えます。

傷病等級は1級から3級

傷病(補償)等年金の対象となる傷病等級は第1級から第3級です。障害補償給付の等級と似ていますが、こちらは『治っていない状態』で評価する年金なので、後遺障害をみる障害給付と混同しないことが重要です。

制度評価時点等級
傷病(補償)等年金治っていない長期療養中第1級〜第3級
障害(補償)等給付治ゆ(症状固定)後第1級〜第14級

傷病年金は職権で決まる

傷病(補償)等年金は、監督署長の職権で支給決定されるのが特徴です。本人が請求しないと何も起きない一般の給付とは違い、休業給付を支給しながら状態をみて行政側が切り替えるイメージです。このため、請求時効の考え方も通常給付と違います。

療養給付は治ゆまで続く

ここで混同しやすいのが、傷病年金へ移るのは休業給付の側だという点です。療養(補償)等給付は治ゆまで続くため、1年6か月で療養給付まで打ち切られるわけではありません。『生活補償の形が変わる』と理解すると整理できます。

よくある誤解

1年6か月で障害補償給付に変わる、という理解は誤りです。障害補償給付は治ゆ後、傷病年金は未治ゆのまま長期化したときです。

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