労災保険法 / 総則・適用

どんな給付があるの?

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解説テキスト

労災保険の給付は8種類

労災法では、保険給付として療養、休業、傷病、障害、遺族、葬祭料、介護、二次健康診断等給付が定められています(第12条の8第1項)。傷病の経過に応じて『まず療養』『働けなければ休業』『症状固定後に障害』という流れでつながるため、全体像を先に押さえることが大切です。

給付典型場面学ぶ章
療養(補償)等給付治療が必要ch3
休業(補償)等給付療養のため働けず賃金なしch4
障害(補償)等給付治ゆ後に障害が残るch5
遺族(補償)等給付死亡したch6
特別加入労働者以外が任意加入ch7
社会復帰促進等事業アフターケア・補装具等ch8

業務災害と通勤災害で名前が変わる

業務災害では『補償』がつき、通勤災害では『補償』がつきません。たとえば、仕事中のけがなら『休業補償給付』、通勤途中のけがなら『休業給付』です。中身はほぼ同じでも名称が異なるので、択一では非常によく狙われます。

  • 業務災害: 療養補償給付、休業補償給付、障害補償給付、遺族補償給付
  • 通勤災害: 療養給付、休業給付、障害給付、遺族給付
  • 通勤災害には『補償』がつかない
名称のひっかけ

『通勤補償給付』のような名称はありません。通勤災害なのに『補償』をつけた選択肢は誤りと判断しやすいです。

給付基礎日額は生活補償給付の土台

労災保険の金額計算では『給付基礎日額』が重要です。給付基礎日額とは、原則として労基法上の平均賃金に相当する額をいいます(第8条第1項)。事故や疾病確定前の直前3か月の賃金総額を、その期間の暦日数で割って1日分に直したイメージです。

給付基礎日額を使う主な給付

休業、傷病、障害、遺族、葬祭、介護などは給付基礎日額をもとに金額を計算します。一方、療養の給付は現物給付なので、原則として金額計算の中心にはなりません。

長期療養ではスライドもある

長く療養が続くと、事故当時の賃金だけでは現在の生活実態とずれることがあります。そこで休業(補償)等給付には、賃金水準の変動に応じて給付基礎日額を調整するスライド制があります(第8条の2、厚生労働省「休業(補償)等給付に係るスライド率」)。まずは『長期化すると固定額のままではない』と理解しておけば十分です。

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