解説テキスト
1か月と数える基準は『11日または80時間』
基本手当などで使う被保険者期間は、離職日から1か月ごとに区切った期間のうち、賃金支払の基礎となった日数が11日以上、または賃金支払の基礎となった時間数が80時間以上ある月を1か月として数えます(第13条第2項、ハローワーク『基本手当について』)。月の途中入社やシフト勤務でも、この基準で数えるのがポイントです。
11日だけではない
近年は『11日以上』に加えて『80時間以上』の基準も重要です。短時間就労者では80時間基準が特に大切になります。
算定対象期間の見方
一般の離職者は離職前2年間、特定受給資格者や特定理由離職者は原則離職前1年間で、必要な被保険者期間を見ます(第13条)。ここで使う『1年』『2年』は、単純な在籍年数ではなく、11日または80時間の基準を満たした月の積み上げです。
マルチジョブホルダー制度
65歳以上の労働者には、2つの事業所での労働時間を合算して雇用保険を適用する『マルチジョブホルダー制度』があります(厚生労働省Q&A~マルチジョブホルダー制度~)。通常の雇用保険は1事業所単位で要件を見るのが基本ですが、この制度は高年齢労働者の複数就業に対応するための特例です。
| 場面 | 通常 | マルチジョブホルダー制度 |
|---|---|---|
| 要件の見方 | 1事業所ごと | 2事業所の労働時間を合算 |
| 対象 | 原則の被保険者 | 65歳以上の一定の労働者 |
| 趣旨 | 通常の雇用管理 | 高年齢者の複数就業に対応 |
『月』の数え方が受給資格を左右する
例えば2年間働いていても、勤務日数が少なくて11日・80時間の基準を満たす月が少なければ、基本手当の受給資格を満たさないことがあります。逆に、契約期間が短くても基準を満たす月が積み上がれば受給資格につながるため、雇用保険では『何年働いたか』より『何か月数えられるか』が重要です。
数字の覚え方
週20時間・31日見込みで『入る』、11日または80時間で『月を数える』。入口と月計算を分けて覚えると整理しやすいです。