解説テキスト
遺族補償一時金は『年金が出ないとき』の制度
遺族(補償)年金を受けることができる遺族がいないときなどには、遺族(補償)一時金が支給されます(第16条の5、厚生労働省Q&A「1-2」)。年金と一時金が同時にフルで並ぶのではなく、まず年金の可否を見て、その補完として一時金を考えるイメージです。
一時金の基本額
遺族(補償)一時金の基本額は給付基礎日額の1000日分です。500日分ではありません。
葬祭料(葬祭給付)は別制度
死亡した労働者の葬祭を行う者には、葬祭料(葬祭給付)が支給されます(第17条)。金額は315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた額ですが、その額が給付基礎日額の60日分に満たないときは60日分が支給されます。遺族年金や一時金とは別枠の制度です。
| 給付 | 主な場面 | 基本額 |
|---|---|---|
| 遺族(補償)一時金 | 年金受給資格者がいない等 | 給付基礎日額の1000日分 |
| 葬祭料(葬祭給付) | 葬祭を行うとき | 315,000円 + 給付基礎日額30日分(最低60日分) |
時効は一時金と葬祭料で違う
遺族(補償)等給付は5年ですが、葬祭料(葬祭給付)の請求権は2年です(第42条)。死亡に関する給付でも、年金・一時金と葬祭料で時効年数が異なるので、まとめて同じにしないことが大切です。
請求書類も早めにそろえる
遺族給付の請求では、死亡診断書、戸籍謄本、生計維持関係を示す資料などが必要になります(厚生労働省Q&A「6-1」)。事故直後は手続が後回しになりがちですが、労災認定に必要な資料は時間がたつと集めにくくなるため、早めの準備が重要です。
死亡給付の整理
年金が中心、年金が出ないときは一時金、葬祭を行えば葬祭料。制度の役割を分けて覚えると混乱しません。