労働保険徴収法 / 保険関係の成立・消滅

一括の特例を整理しよう

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解説テキスト

一括の特例は3種類ある

徴収法では、保険関係を事業ごとに別々に扱うのが原則ですが、実務を簡素にするため一括の特例があります。代表的なのが、有期事業の一括(第7条)、請負事業の一括、いわゆる元請一括(第8条)、そして継続事業の一括(第9条)です。条文番号と場面をセットで覚えると整理しやすいです。

条文名称典型場面
第7条有期事業の一括小規模な工事をまとめる
第8条請負事業の一括元請が下請を含め一体処理する
第9条継続事業の一括同一事業主の複数事業場をまとめる

有期事業の一括は小規模・同時進行がカギ

第7条は、事業主が同一で、いずれも有期事業で、規模が省令要件以下で、互いに全部または一部が同時に行われるなどの要件を満たすとき、全部を一の事業とみなす制度です。たとえば小さな建設工事を複数抱える会社で、都度別申告する負担を軽くするイメージです。

元請一括では元請負人が事業主になる

第8条第1項は、一定の請負事業が数次の請負によって行われる場合、その事業を一の事業とみなし、元請負人のみを事業主とすると定めています。建設業で頻出の論点で、下請労働者の賃金総額も元請の保険料計算や控除実務に関わってきます。

誰が事業主になるか

元請一括では『元請負人のみを事業主とする』のが原則です。下請が当然に独立して処理するわけではありません。

継続事業の一括は申請と認可が必要

第9条は、同一事業主の2以上の継続事業について、要件を満たし、申請をして認可を受けたときに、一の保険関係として扱う制度です。この場合、指定された1つの事業以外の保険関係は消滅します。自動で一括されるわけではなく、申請・認可型である点が有期事業一括との違いです。

例で比べると違いがはっきりする

同じ建設会社でも、複数の小規模工事をまとめるなら第7条、1つの大きな工事を元請と下請で行うなら第8条、本社と複数支店の継続事業をまとめるなら第9条、というように場面が違います。試験では名前が似ていて混乱しやすいので、何をまとめる制度かを具体例で覚えるのが近道です。

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