労働保険徴収法 / 労働保険事務組合

通知の効力と責任はどうなる?

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解説テキスト

政府の通知は事務組合に対してできる

政府は、労働保険事務組合へ委託した事業主に対する保険料の納入告知その他の通知や還付金の還付を、事務組合に対して行うことができます(徴収法第34条)。そして、事務組合に対してした通知や還付は、事業主に対してしたものとみなされます。窓口が一本化されるわけです。

法的効果のポイント

事務組合にした通知 = 事業主にした通知。委託すると窓口効果が生まれます。

預かったお金の範囲で事務組合も納付責任を負う

事業主が保険料納付のために金銭を事務組合へ交付したときは、その金額の限度で、事務組合が政府に対して納付責任を負います(徴収法第35条第1項)。また、追徴金や延滞金でも、事務組合の責めに帰すべき理由がある場合には、その限度で責任を負います(同条第2項)。

帳簿備付け義務もある

労働保険事務組合は、その処理する労働保険事務に関する事項を記載した帳簿を事務所に備えておかなければなりません(徴収法第36条)。認可を受けた以上、ただの仲介ではなく、適切な事務処理と記録管理が法的に求められます。

委託の利点は『事務軽減』『分割納付』『特別加入』

厚生労働省や各労働局の案内では、事務委託の主な利点として、①労働保険事務の負担軽減、②労働保険料額にかかわらず3回の分割納付ができること、③中小事業主や家族従事者が労災特別加入しやすくなることが挙げられています。試験対策上も、この3点で覚えると整理しやすいです。

条文・案内内容学習ポイント
第34条通知等を事務組合へできる通知 = 事業主への通知とみなす
第35条交付金額の限度で納付責任預かった金銭の範囲で責任を負う
第36条帳簿備付け義務認可団体としての管理責任

『委託しても最後の当事者は事業主』という感覚を持つ

事務組合に委託すると実務はかなり楽になりますが、事業主が制度の外へ出るわけではありません。通知効や納付責任の仕組みを見ても、最終的には事業主との関係を前提に制度が組み立てられています。単なる丸投げとは違う、という感覚を持っておくと理解が深まります。

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