解説テキスト
徴収法の保険料は5種類
徴収法第10条第2項は、労働保険料として一般保険料、第一種特別加入保険料、第二種特別加入保険料、第三種特別加入保険料、印紙保険料、特例納付保険料を並べています。社労士試験では、まず『基本は一般保険料、例外に特別加入保険料と印紙保険料がある』という大きな地図を持っておくと迷いにくくなります。
| 種類 | 主な対象 | ざっくりした意味 |
|---|---|---|
| 一般保険料 | 通常の適用事業 | 労災保険と雇用保険の基本の保険料 |
| 第一〜第三種特別加入保険料 | 特別加入者 | 労災の特別加入に対応する保険料 |
| 印紙保険料 | 日雇労働被保険者 | 雇用保険印紙で納める特別な保険料 |
一般保険料は『賃金総額 × 保険料率』
一般保険料の額は、賃金総額に一般保険料率を乗じて計算します(徴収法第11条第1項)。賃金総額とは、その事業で使用するすべての労働者に支払う賃金の総額です(同条第2項)。たとえば年間賃金総額が3,000万円なら、その事業に定められた保険料率を掛けて一般保険料を求めます。
計算の基本式
一般保険料 = 賃金総額 × 保険料率。徴収法では最重要の計算式です。
一元適用なら労災保険率 + 雇用保険率
徴収法第12条第1項は、労災保険と雇用保険の両方が成立している事業では、一般保険料率を『労災保険率 + 雇用保険率』としています。逆に、労災だけ成立している事業なら労災保険率、雇用だけなら雇用保険率です。1つの事業で両方成立しているのが原則なので、通常は足し算で考えます。
雇用保険部分は労使負担、労災保険部分は事業主負担
被保険者の負担と事業主の負担は徴収法第31条で定められています。通常の雇用保険部分は被保険者も負担しますが、労災保険部分は事業主負担です。したがって、給与計算では雇用保険料だけを天引きし、労災保険料は天引きしないという実務になります。
| 保険料部分 | 労働者負担 | 事業主負担 |
|---|---|---|
| 労災保険分 | なし | 全額 |
| 雇用保険分 | あり | あり |
| 雇用保険二事業分 | なし | 全額 |
ひっかけ注意
『労働保険料は全部労使折半』は誤りです。労使折半に近いのは雇用保険部分だけで、労災保険分は事業主全額負担です。
印紙保険料は日雇労働被保険者の特別ルール
日雇労働被保険者については、通常の一般保険料とは別に印紙保険料が問題になります。徴収法第31条第2項は、日雇労働被保険者が印紙保険料額の2分の1を負担すると定めています。日雇の章では『雇用保険印紙』と『被保険者手帳』の組み合わせが頻出です。